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バクラは激怒した。 必ず、彼の邪智暴虐のアクナムカナン王を除かねばならぬと決意した。 バクラには政治が分からぬ。バクラは、盗賊である。死皇帝の陵墓を暴き、王家の財宝を盗んで暮して来た。けれどもクルエルナ村の虐殺に対しては、人一倍に敏感であった。
- 作者: 太宰治
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2005/02
- メディア: 文庫
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バクラは激怒した。 必ず、彼の邪智暴虐のアクナムカナン王を除かねばならぬと決意した。 バクラには政治が分からぬ。バクラは、盗賊である。死皇帝の陵墓を暴き、王家の財宝を盗んで暮して来た。けれどもクルエルナ村の虐殺に対しては、人一倍に敏感であった。