Vジャンプ3月号における城之内のカード窃盗描写について

Vジャンプ2007年3月号
遊戯王R 決闘33再闘!!キースVS城之内
における城之内のカード窃盗について

カード&CARD社長です。今回、Vジャンプ連載中の漫画「遊戯王R」において、登場キャラクターによるカード窃盗の描写がありました。これは、「漫画の中の表現」では済ますことができない重要な問題であると思い、筆をとりました。

問題箇所
P81
この作品内において城之内は対戦相手キースの所有カードである「時の機械-タイムマシーン-」を使用し、キースにそのことを指摘された際
「決闘者の王国で闘った後・・・テメーはデッキをほったらかしにしてどっかに行っちまったじゃねーか」「そん時にちょろっとね!」

と、「対戦相手がデュエルが終わった後デッキから目を離したから盗んだ」と堂々と告白しています。

P83
「さーてこのデュエルに勝ったら次は何をいただこうかな!?」

また、悪びれることもなくカードを持ち主に返しもせず、あまつさえ「勝ったらさらにカードをもらう」と言っています。

私は漫画表現にむやみに制限をかけるのは反対ですが、遊戯王Rは遊戯王をプレイする子供たちの読む漫画であり、主人公サイドの人物が遊戯王ファンに及ぼす影響は決して小さくないと思います。その遊戯王の作品内でも主役サイドの重要人物城之内のこの行動・言動は、問題があるといわざるを得ません。

カードと盗難は切っても切れない関係にあり、それは盗まれた人にとってはカードに対するモチベーションを失わせるに十分なことであり、また保護者の方からカードゲームを悪者にさせるのに十分な理由にもなります。
言うまでもなくカードを盗むことは、明らかな犯罪です。何があろうと人のものを盗む行為は絶対に許されるものではありませんし、刑法でもきっちり刑罰が定められています。
私は漫画を読んで犯罪を起こすのはその本人の責任だと思いますが、今回の場面を見たら「カードから目を放したら盗んでもいい」という印象を読者に植え付けかねません。
遊戯王を「世界で一番売れているカードゲーム」と位置づけているコナミ様は、遊戯王のユーザーに「カードゲームの有るべき姿」を啓蒙していく義務があると、私は思います。
そのオフィシャルな作品であり、遊戯王ファンの規範となるべき作中の主人公サイドの登場人物の今回の行動・言動は、非常に重要な問題があると思います。