遊戯王プレイ環境正常化運動


↑バナー作りました。

遊戯王ニュースなどからこられた方へ。
運動の最新情報はこのコラムで発表していきますが、まとめは
http://www.card-card.co.jp/column/column_yugi_seizyouka.htm
ですのでリンクしていただけるときはこちらの方がいいかもです。このブログのこのエントリーだけのリンクだと「更新して無いじゃん」とか思われてしまうかもしれませんので。


運動についてアンケート実施しています!ぜひ投票してください。

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みなさんは、現在の遊戯王のプレイ環境についてどのようなお考えをいだいていますでしょうか?
・ルールが複雑すぎる
・テキストからルールを読み取るのに膨大な知識を必要とするのはおかしい
・カードバランスがおかしすぎる
などなど、遊戯王を愛するがゆえに様々な不満をお持ちなのではないでしょうか。
わたしたちカード&CARDのスタッフも、販売店のスタッフとしてだけでなくプレイヤーとして、常にそのような思いを抱いていました。
そこで、以下のような提案書を作成いたしました。
このホームページで公開し、皆さんに「ここも直して欲しい」「この対処法はこうしたほうがいい」などのご意見をいただけましたら、それを総合しまして最終的にコナミ様に提出したいと思います。ユーザーからの意見もきっと無視はされないでしょうが、販売店から「ユーザーの意見をまとめたもの」として提出されればコナミ様も動いてくれるのではないかと思います。

遊戯王の環境に不満を持つなら。
遊戯王を、いまよりもっと楽しめる環境にしたいなら。

行動を起こしましょう。環境は待つものではなく作るものです。
わたしたちカード&CARDグループは、そのために遊戯王プレイ環境正常化運動をここに宣言いたします。

ご意見はtouyou@card-card.co.jpまで

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遊戯王の問題点とその対処法について


はじめに

私は遊戯王を非常に高度な知的遊戯と認識し、世界にも類を見ない子供から大人までが楽しめるエンターテイメントであると信じています。

しかし、そもそも男児用玩具からスタートしルールやプレイングを試行錯誤しながら成長してきた遊戯王は現在ルールの袋小路に入り込んでおり、もはや小学生が十全に理解できるゲームではなくなっています。

また、現在遊戯王は世界中で愛されているにもかかわらず日本と海外ではそのプレイング環境が大きく異なり、日本は世界から取り残されていると言っていい状態です。

私は愛する遊戯王がプレイすることを誇りに思える環境が築かれることを願い、その一助となるために以下の提案をするものです。


1.カードテキストについて

遊戯王のカードテキストは、表記の統一がなされておらず、しかも「起動効果」「永続効果」「誘発効果」「誘発即時効果」「効果」「コスト」「対象に取る(取らない)」「発動可能タイミング」などルール上非常に重要な情報が表記されていません。

この問題を解決するため、以下の対処を提案いたします。


● カードテキストの表記統一

〜できる、〜することができる、この効果はメインフェイズにしか使用できない

等、同じタイミング・条件で発生する効果であるにもかかわらず表記が異なる場合がある。これらは厳密に統一されるべきであり、テキスト作成には厳密なルールを適用し、カードによる表記の違いが起こらないようにするべきです。


● 効果の記号表記(アイコン化)

カードテキストに、効果を記号化して表記すべきである。例えば、起動効果は「起」や「!」など、わかりやすい記号として表記する。

例:カオス・ソーサラー

このカードは通常召喚できない。自分の墓地の光属性と闇属性モンスターを1体ずつゲームから除外(効果)して特殊召喚する。

フィールド上に表側表示で存在するモンスター1体をゲームから除外することができる。(起動・対象・M)この効果を発動する場合、このターンこのカードは攻撃することができない。

これは、(効果)はコストでなく効果であることを表しています。

Mはメインフェイズで発動できること。

(起動)とはこの効果が起動効果であることを表し、(対象)とはこの効果が対象に取る効果である事を表しています。


例2:魂を削る死霊

このカードは戦闘によっては破壊されない(永続1)。魔法・罠・効果モンスターの降下の対象になった時、このカードを破壊する(永続2)。

このカードが”相手プレイヤーを攻撃対象にして直接攻撃した結果、戦闘ダメージを与えた時、相手はランダムに手札を1枚捨てる(誘発・非対象)。


(永続)はこの効果が永続効果であること。後ろの数字は同じ永続効果でありながら違う効果のため、わかりやすくするためにいれてあります。

また、後半の元のテキストは

このカードが相手プレイヤーへの直接攻撃に成功した場合、相手はランダムに手札を1枚捨てる。

ですが、実際には上記のように「相手プレイヤーを攻撃対象にして直接攻撃した結果、戦闘ダメージを与えた時」という条件なので、現実に即した表記にしています。


●ルールの体系化
現在の遊戯王のルールは非常に複雑化し、上記の効果のアイコン化を実現したとしてもわかりづらい(というか説明されなければ決して理解不能)な例外的なルール裁定があります。
これは、ルールを体系化し、例外を極力許さない。できてしまった例外はすばやく公式ホームページのQ&Aに載せることで対応できると思います。アメリカでのUpper Deck社はこれができている(例:「D−HERO ダイヤモンド・ガイ」がコストなしで発動できる理由をFAQで載せている、「ワタポン」は「天使の施し」でドローした場合、任意効果の発動タイミングをすぎているので手札から特殊召喚できないはずだが、特殊召喚できると例外を載せてくれている)そうで、決して日本で実現できないことはないと思われます。
また、国内外で裁定が違う場合があるので、その統一も必要です。これはもちろん、日本のルールに合わせます。

また、下記の専門誌の発行の項にも関わる事項ですが、最新版のテキストで改正したものをオンラインや書籍で必ず公開することで、各ユーザーへの最新テキストが浸透しやすくなると思われます。


2.日本発売カードの世界大会標準化

現在、日本は遊戯王発祥の地であるにもかかわらず世界大会から孤立化している状態です。日本語版、韓国語版、およびアジア版英語のカードはアジア圏以外の国の公認大会では使用不可。世界大会においては英語化されていない日本語のカードは使用できないというまさに「世界から孤立した」状態です。遊戯王発祥の地として、これはいかにも寂しい話です。

遊戯王を権威ある高度な知的遊戯とし、プレイすることを誇りとできる環境を築くため、以下の施策を提案いたします。

●WORLD STANDARD EDITION

上記カードテキスト表記の統一、効果の記号表記を施行した上で、過去のカードをBEGINNERS EDITIONのように再販。例えばWORLD STANDARD EDITION(以後WSE)などとし、以後の公認大会では過去のカードも使用可だがその効果は再販後のテキストを採用とします。現状でもストラクチャーデッキ等で過去のカードが再販された際はこのようになっていますが、WSEは世界中の遊戯王の基本とし、世界大会での使用を可とします。

再録は特に現在使われているカードから選び(実戦レベルで使われるカードは500種類くらいであろうから、DLのように5弾に分けるのが現実的と思われます)、効果がややこしくなりそうなものを優先的にルールを整備した上で再録、もしくはどうしても折り合いがつかないものは禁止カード化する。



3.公認ジャッジ制度

遊戯王は非常にルールが複雑で、ルールの完全な把握は成人であっても難しいです。

上記のテキストをわかりやすくする施策をとってもなお判断に困る解釈は存在します。そこで、専門的なジャッジ知識を持つものを育成することが必要であると思います。

必要とされる知識は非常に多岐にわたるため、1級2級3級など等級を設け、資格制度のようにティーチングとテストによる取得制度とするのが望ましいと思われます。

また、公認ジャッジおよび公認大会開催店舗限定のメーリングリストを作成し、実際に公認大会時裁定が難しかったルールの情報を共有化することでジャッジ間の意思の統一が図れ、またジャッジの交流により問題点の浮き彫り・禁止裁定の意見吸い上げにもなると思います。

4.アニメとの効果的なタイアップ

遊戯王GXは非常によくできたタイアップアニメだと思います。アニメを見て遊戯王をやってみたいと思う小学生も多く、遊戯王の新規ファンを増やす役割を備えています。

そこを踏まえたうえで、さらなる遊戯王の発展ために以下の提案をいたします。

● 禁止カードの禁止

遊戯王GXでは「強欲な壺」「死者蘇生」などの禁止カードが非常に頻繁に使われています。アニメは製作時期と放送時期にかなり時間差があるので仕方のない面が強いのでしょうが、そこは製作との兼ね合いで、せめて明らかに禁止となることがわかっているものは劇中で出さないでほしいです。

● オリジナルカードを少なくする

オリジナルカードは見ていて楽しく、原作が終了している以上新カードの登場媒体としてなくてはならないものであるとは思いますが、あまりにも毎回毎回オリジナルカードだらけでは販促アニメとしての役割が弱くなってしまうように思われます。
最近はアニメでの登場から実際の発売への時期も短くなっており基本的には非常によい展開なのですが、欲を言えばもう少し既存のカードを使い見ていて「こんなデッキで戦ってみたい」と思わせることもいいのではないかと思います。

子供はアニメを見て遊戯王に入ってくるので、基本的には「ごっこ遊び」から入るものと認識しています。アニメで使っているカードが禁止カードやオリジナルカードで現実には存在しないカードばかりでは「ごっこ遊び」から「正式なデュエル」への移行が困難となってそのまま離れてしまう危険性があると思います。



5.専門誌の発行(もしくはVジャンプの遊戯王関連強化)

現在遊戯王の情報はほとんどVジャンプから出ています。しかし、Vジャンプの遊戯王記事のレベルははっきりいって「高い」とは言いがたいのが現実です。遊戯王を理解しているライターが書いているのか非常に疑問で、中級レベル以上の遊戯王ユーザーの正直な感想としては「Vジャンプの記事は嘘だらけ」です。遊戯王を広めるにあたって専門誌もしくはそれに順ずる存在は欠かせないものであると思わます。専門誌が無理ならVジャンプにおける遊戯王の割合を増やすか、それもかなわないならせめてVジャンプの記事のレベルをもっと上げてほしいです。以下のテストプレイヤー・アドバイザーの項にも関わることですが、外部から信頼できる協力者を大々的に募るべきではないでしょうか。


6.カード作成時のテストプレイヤー・アドバイザー強化

現状、遊戯王のカードテキストはとてもテストプレイヤーがあらゆるテストプレイを試してから世に出ているようには思われません。

コナミ様は「強欲な壺」「同族感染ウイルス」を禁止にし、一方的なアドバンテージをつけるカードをなくし、より「運」から「戦略」にゲームバランスを傾けようとしていると向けられます。しかし、その禁止のあとに「キメラテック・オーバードラゴン」「オーバーロードフュージョン」「森の守護者グリーン・バブーン」など既存のデッキに使われるカードに比べあまりに強すぎるバランスのおかしいカードが次から次へ登場し、また逆にエキスパンション中のテーマデッキに使われるようなカードはどうしても使いようが無いほど弱いものばかり、という印象を受けます。これは、テストプレイの不足によるものが非常に大きいと思われます。少なくとも、ある程度のレベル以上のプレイヤーが十全にテストプレイを重ねていたならこれらのカードの問題点は必ず浮上してくるはずです。

一般プレイヤーでは情報の開示は難しいと思われるので、全国の店舗関係者などから協力者を募り、正式に契約書を交わしテストプレイヤー・アドバイザーを設けるべきではないでしょうか。もちろん、情報が漏れた際は厳しい罰則が必要であることは言うまでもありませんが。

7.詳細な大会規約のオンライン配布
現状では、オフィシャルサイトにて大会規約が確認できますが、不備が多い上になかなか浸透していないというのが正直な感想です。さらに、プレイヤーのマナーに関して明確な規約が無いことから引き起こされうるモラルの低下も懸念事項ですが、これは規約で取り締まれるものであると思います。
Upper Deck社ではプレイヤーおよび観客がとるべき態度、運営者が取るべき態度、ジャッジが取るべき態度およびジャッジの求められる専門性、大会の進行の仕方(報告方法含む)、シャッフルのより具体的な方法などを体系化したものをPdfやWordで公開しています。こうすれば、店舗がプリントアウトして配布できるし、個人でも確認しやすいという利点があります。これは、ぜひ日本でも取り入れていくべきであると思います。
また、上記のアドバイザーからの意見を吸い上げ、ある一定の周期で条文に不備があるところを更新していくことも必要です。


以上、僭越ながら店舗運営者・プレイヤーとしての立場から、現状の遊戯王プレイ環境における問題点とそれに対する対応策を挙げてみました。
我々の愛する遊戯王が、今後ますますの発展を重ね「プレイすることがステータスになる」ようなすばらしいゲームになることを願ってやみません。この提案がその一助になれば幸いです。